Patagoniaアンバサダー岡崎友子さんが綴る「ALOHA」。
第二回目は My own church。
日本には、自然に祈る習慣が多くありますが、ハワイも同じ。
日本人がハワイを好きな理由のひとつは、昔から伝えられている習慣を大切にしていることなのかも
しれません。
マウイ島の秘境、ハナに知り合いを訪ねて行った友人の話。
ハワイに行ったことのなかった彼が、言われるままに飛行機を取り、降り立ったのはハナの空港。
ハワイアンでさえも島の端っこにある寂れた空港を利用したことがある人は少ないはず。
そこで出迎えてくれたスケーターの友人はヒッピーになっていた。
奥さんのお父さんが遺してくれた土地を受け継ぐために、
この島に戻ってきた二人だが、この小さな村のローカルにも迎え入れられ、
果物や野菜を育てながら土地に根付いた生活を送っていた。
そして彼らの友人である、私の友人も着いた瞬間から温かく迎えられたという。
日曜日の朝、「今日は日曜だから教会に行くぞ」と早くから叩き起こされた彼。
この村は信心深いのだな、こいつまで教会に行くのかと思いながら車に乗って行くと、着いた先は奥まった美しい谷にあるタロイモ畑だったそうだ。
ハワイの神様が確実にいる、そう感じられるような神聖な場所だと友人もそのマナを感じ取った。
そこで仲間が集まり力を合わせてタロイモ畑の仕事をし帰ってきたそうだ。
ハワイアンにとってパワーフード、なくてはならないタロイモ。
そしてそのタロイモを育てるには豊かで綺麗な豊富な水が欠かせない。つまり昔からの自然がないとタロイモは育たず、
タロイモを食べなくてはハワイアンのみなぎるパワーも生まれない。
彼らにとって自然の神に感謝し、そのための奉仕をする教会はこの美しいタロイモ畑だというわけ。
タロイモ畑だけではなく、
ハワイでも日本でも、世界中どこでも「ここに神がいる」と確信できるようなパワーを感じる場所はあちこちにあります。
お寺や教会ももちろんそうだけれど、人それぞれ自分に身近な神を感じられる場所っていうのはあるはず。
私にもいくつかあります。
マウイのおへそと言われるイアオ渓谷。
イワオニードルと呼ばれるとんがった岩が象徴的なこの場所は、
奥に民家も道も一切ないため、
流れる小川の水はとても清らかでマナに溢れていることから儀式やフラワーエッセンスを作ったりすることに利用されています。
手前は観光客で賑わっているけど、5分も奥に歩いて行けば誰もいないトレイルがずっと先まで続いています。
ただ2年前に大雨で土砂崩れが起きてから閉鎖され、また何度も川が決壊したりしていて、
なんだか最近のマウイで起こっている政治的な環境破壊にイワオが起こっているかのように感じる時もあります。
ワイヒーの先にあるヘイアウ。
昔から儀式が行われ、シャーマンに悩みやトラブル病気を治してもらうために使われた場所であるここは、
ボランティアの人たちに守られ、常に整備され、きれいに整えられています。
そこに立つとなぜそこにヘイアウを昔のハワイアンが作ったのか納得する光景が広がります。
ハレアカラの全貌が目の前にあり、海を見下ろし、海から寄せてくる波がワイヒーの海岸線にぶつかっている様子、
そして左のほうにはカハクロアの切り立った巨岩が見える。お寺に行くような気持ちで手を清め、
サンダルを脱いでヘイアウの中に入ると、自ずから心かしゃんとし、落ち着いてきます。
ハナへの道沿いを少し入ったところにある滝
以前その土地の所有者から頼まれてケアテイカーをしていた友人に教えてもらった秘密の場所。一般に公開されてはいないけれど、昔からヒッピーの人が裸で和んでいたり、地元の人が静かにごく少人数で訪れる場所。
パワースポットとしても知られ、愛、子供を授かったり、愛に満ちた場所として結ばれる儀式や子を授かるために祈りに来る人もいます。
そしてハイクのライトハウスルックアウト
昔一番好きだった場所、最近はちょっと治安が良くなかったり、
周りのパイナップル畑が使われずに草が伸び放題になっていることが多く、
行きにくい。切り立った岸壁、そこには塀も柵もないのでヘリに立つと真下に岩にぶつかってしぶきを上げる海が見える。
フラットな広々としたスペースは芝生に覆われ、岸壁にある一本の木が日陰を提供してくれ、ここで一人誰にも邪魔されずにのんびり読書をするのが好きでした。
少し脇に歩いて行くと、
急な坂道のトレイルがあり、そこから海まで歩いて行って岩場の潮溜まりのプールなどで磯遊びをしたり、そこから潜ったりもできる。
ハワイ、それもマウイ島だけでもいくらでも自分を再確認したり、充電させてくれるMy churchがあります。
きっとそういう場所がたくさんあればあるほど心を落ち着けるチャンスや場所も増えるはず。
My churchリストアップしてみて、ちょくちょく訪れる機会を作ってみませんか?
岡崎 友子
鎌倉で生まれ育ち、16歳でウインドサーフィンを始め、すぐにその頭角を現すとプロウインドサーファーとして世界を回り始める。
1991年にはウェイブライディングの世界ラインキング2位という結果をもたらし、そのほかの多くの大会でも決勝進出など活躍する。ただし、その後に気の合う仲間たちと良い波や風をもとめて旅をすることの方が点数を稼ぐよりも楽しいと思うようになる。
その後は、ウインドサーフィンに限らず、
スノーボードではアラスカやそのほか多くの大きな山を滑る初の日本女性スノーボーダーとなり、
カイトサーフィンでは女性のパイオニアとして世界を旅し、スタンドアップパドルでは、波乗りやレースを楽しむとともに長距離レースやダウンウインドレースのサポートもして、道具が変わってもいい波や風、雪を求めて旅を続けるスタイルは変わらず。
旅や出会った人たちから受けるインスピレーションをテーマにフリーランスのライターとしても活動中。
また、女性のためのウィンド/カイト・キャンプにも情熱を注ぎ、「海は想像以上のものを与えてくれる」と彼女は確信している。
ブログ:http://windmaildiary.blogspot.jp
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